一度は読んでおこう、不朽の名作『AKIRA』漫画

今回紹介する作品は、漫画版『AKIRA』。
そのタイトルを聞いたことがないという方は少ないかと思います。
1982年から1990年にかけて週刊ヤングマガジンにて掲載。
作者である大友克洋は、現在の日本の漫画シーンにも大きな影響を与えています。
そんな日本を代表する漫画である大友克洋の代表作『AKIRA』は誰もが一度は読むべきだと思っていますので、まだ未読だと言う方のために本作の魅力を紹介していきたいと思います。
ふたりの主人公
1982年に関東で大爆発を起こした新型爆弾が引き金となり世界大戦が勃発。
その後、再建した”ネオ東京”がこの物語の舞台となります。
『AKIRA』というタイトルですが主人公はアキラではなく金田正太郎という暴走族のリーダー。
赤いライダーズジャンパーを颯爽と着こなし、これまた真っ赤なバイクを操ります。
素行不良で学校の保健医を妊娠させていたり、薬物を常用していたりとかなりラリった人間にも思えますが、そのリーダーシップは本物で、暴走族チームの仲間たちからは一目置かれた存在です。
もうひとりの主人公、島鉄雄。彼もまた金田率いる暴走族チームのメンバーのひとり。
彼は金田のように強くなりたいという思いを胸に秘めていますがバイクを操る腕も腕っ節も、リーダーシップも金田に遠く及ばないことから金田へのコンプレックスを持っています。
そんな彼がある日、道路に飛び出してきた子供を避けきれずバイク事故を起こしてしまいます。
飛び出してきた子供はとある研究機関から逃げ出してきた超能力者で、その子供と接触した影響で鉄雄は超能力に目覚めます。
超能力に目覚めた鉄雄は金田たちを裏切り、その能力を利用して好き勝手悪事を働きはじめます。
そんな鉄雄の暴走を止めるため、金田は鉄雄のもとへ向かいます。
圧倒的な描き込み
『AKIRA』に限らず、大友克洋氏の描く漫画を語る上で外せないのがその圧倒的な画力と描き込み。
荒廃した都市の背景への描き込みは作品世界にリアリティを生み、ド派手な一枚絵は構図、色彩がまるで絵画のような雰囲気。
現在、日本で画力が高いと言われている漫画家のほぼすべては少なからず大友克洋の影響を受けていると言っても過言ではないというくらい漫画界に革命を起こした作品です。
その迫力を余すことなく伝えるために、本作の単行本は雑誌サイズで刊行されています。実際に書店で手に取ってみてほしいです。
全六巻で完結済み。切なくも爽快なラストシーンを是非。