不遇の名作『皇国の守護者』漫画

今回紹介する作品は『皇国の守護者』です。ここでは小説界の富樫と名高い佐藤大輔による小説を原作とする全5巻の漫画作品の方を紹介していきます。

その男、新城直衛

物語の主人公、新城直衛という男。

剣牙虎(けんきこ)と呼ばれる白い虎のような架空の生物を飼い馴らし、“千早”と名付けられたその剣牙虎と、新城率いる剣牙兵大十一体隊とともに戦場を駆るこのキャラクターが好きになれるかどうかでこの作品の評価がまったく違うものになってくると思います。

<皇国>と<帝国>の戦争を描いた本作、主人公である新城はタイトルから想像できる通り<皇国>の軍人です。
根は臆病で優しい人間なのですが、部下を、そしてなにより自分を奮い立たせるために窮地に立たされた時ほど、笑うのです。

はたから見れば狂気の沙汰です。
笑いながら突撃し、敵とはいえたくさんの人を殺して…。

しかし、それは部下の前で弱い姿を晒すわけにはいかないという新城の決意のあらわれた行動であり、とても人間的といいますか、殺されるかもしれないという恐怖を笑顔で噛み殺して部下へ冷血な表情で命令を下す。

時には特攻まがいの突撃をする。
これらの行動を起こす際、かならず彼は恐怖し、歯を鳴らし、その末に無理矢理笑顔をつくります。
戦闘能力が高く、作戦能力もずば抜けていて、部下たちからすれば新城は完璧超人のように見えたかもしれません。
しかし彼は心の底でいつも恐怖していて、全身が震えていて…。それでも戦わずにはいられない。
そんなところに彼のキャラクターとしての魅力を見出せたとき、この作品は面白くなっていきます。

現実感あれども非現実

この作品で描かれているのは、前述したように架空の国<皇国>と<帝国>の戦争の様子ですが、人物たちの鬼気迫る表情、戦時中の日本によく似た数々の設定からまるで現実にあった戦争を描いた作品なのではないかと考えてしまう作品です。

<皇国>では人と竜が共存し、導術と呼ばれる超能力を持つ人間がいたりと時折非現実的な要素が出てきて「これはフィクションだ!」と気付かされます。

ちなみに、対する<帝国>は、異能力や架空生物などを漫画の劇中ではまったく使用してきません。
馬に乗って、銃を撃って、槍を振るう。そんな戦い方で<皇国>をおびやかしてきます。

不遇の名作と呼ばれる理由

この漫画、漫画だけ読むきれいに完結しているように見えるのですが、これは作者のアドリブ力によるものが大きく、実は打ち切りによる完結を迎えています。

はじめに述べた通り、この作品の原作は小説です。
しかし連載終盤まで原作者による原稿のチェックが行われていなかったことや、いざ原作者による原稿のチェックが入っても、既に雑誌に掲載された部分に対しての直しを指示してきたり、というようなことが重なって原作者と漫画作者の間に亀裂が走り、作者が精神的に限界を迎えたところで打ち切り完結を決心し、完結されたと言われています。

とはいえ、漫画はとてもきれいに完結しているので是非読んでみてください。
新城直衛の生き様に惚れますよ。

単行本は既刊5巻(完結済み)と集めやすい巻数になっていますので、是非!

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