“敵討ち法”がまかり通る世界を描く漫画『フリージア』の感想

鬼才・松本次郎による漫画作品『フリージア』。2001年から2009年にかけて月刊IKKI誌上にて連載された本作。
マイナー誌に掲載されていながら実写映画化もされている本作の魅力を紹介していきます。

あらすじ

“敵討ち法”と呼ばれる法案が成立した日本。
“敵討ち法”とは、殺人などの事件の加害者に対し、被害者の遺族たちが”敵討ち法”のルールに乗っ取るかたちで加害者に復讐が、もっと言えば殺害できるという法案。しかし、いくら被害者が憎いと言っても人を殺めることに最初から乗り気になれる人間なんてほんの一握りしかいません。

そんな人のために存在するのが”執行代理人”と呼ばれる者たち。被害者遺族から報酬をもらう代わりに加害者に復讐するプロのことです。復讐が商売になるならばもちろんその復讐を阻止するのも商売になるわけで、加害者側には”警護人”と呼ばれるボディガードがつきます。こちらも、もちろん金で雇われたプロたち。

執行人と代理人の戦いや、それぞれどこか頭のネジが吹っ飛んだ登場人物たちの物語が繰り広げられます。
主人公である叶ヒロシが執行者となって、淡々と仕事をこなす彼の数奇な運命を追う形で物語は進行していきます。

独特の絵柄と難解な物語

本作の特徴としてまず、その独特な絵柄が挙げられます。下書きのように何本も線が重ねられた震えた線と、白と黒のコントラストがはっきりと描かれた陰影の表現で作品全体に独特の緊張感が感じられます。
現代の日本の漫画作品では他にあまり見ない絵柄で、やはり好き嫌いは分かれるかと思います。

そしてさらに言うこと成すことすべてが意味不明で難解な主人公・叶ヒロシ。彼の存在がただでさえ難解な作品をさらに難解にさせています。俗に言う”電波”というやつで、他人からは見えない”友人”と喋ったり、他人の気持ちをまったく考えられない(悪意はなく、本当に他人の気持ちがわからない)ので自分の世界に引きこもったり、なかなかに個性的な主人公です。

そして個性的なのは主人公だけでなく、物語に登場する執行代理人、あるいは警護人たちほぼ全員。
みんなどこかイカれているというか、普通の価値観を持っていません。まあ、人を殺す仕事に自ら志願するような人たちなのでしかたないのかもしれませんが、本作にはまともな人間がほとんど登場しません。そこがまたすごい。

そんな頭のおかしい快楽殺人者やその他諸々が多数登場する本作は単行本全12巻。
一気読みしてみては?

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