紙面から伝わる昭和の雰囲気と落語の面白さ。「昭和元禄落語心中」

玄椿」の記事でも書かせて頂いたとおり、現在は日本の伝統文化に注目した作品が多く支持を得ています。
その中の一つであり、毎年年末近くに発売される「このマンガがすごい!2012オンナ版」の2位にも輝いたことがあるのが、江戸落語を取り上げたこの作品「昭和元禄落語心中」です。

落語を知らない人でも「面白い」。知ってる人なら「ほう」となる

この作品の主人公である「与太郎」は、バカ正直な上に思い込んだら突っ走る、よく言えば犬ころのように懐っこい、悪く言えば底抜けのおバカなキャラクターです。
この与太郎はとある事件のスケープゴート(身代わり)として刑務所に服役していた模範囚人でした。
そんな与太郎、刑務所の慰安に訪れた落語家の大家、「八代目有楽亭八雲」の落語に惚れこみ、出所と同時に弟子入りを懇願します。
しかしこの有楽亭八雲という人物は弟子をとらないことで有名でしたが、与太郎のあまりの率直さ、バカ正直さを気に入り入門を許可することとなります。

落語を知っている人ならこの「与太郎」という名前の時点で「ほう」となる部分かと思います。
この与太郎という名前、落語によく登場する架空の人物の名前なのです。
「道具屋」「長屋の花見」など多くの落語に登場しますが、例外なくぼんやりした人物として描かれています。
性格は呑気で楽天的。何をやっても失敗ばかりするため、心配した周囲の人間から助言をされることが多いという見事な笑い噺用のキャラクターです。

本当の名前は「強次(きょうじ)」という名前のようですが、その名前もたった2度ほど呼ばれただけであとはほとんど「与太郎」「よたちゃん」と呼ばれています。
作中に登場する落語用語はすべて説明してくれていますので、落語を知らない人でも興味深く、また、落語を知っている人ならさらに深く理解できる作品になっているので、とても楽しめるかと思います。

上方落語と江戸落語を比べて読むのも面白いかも

作中に登場する「宿屋の仇討ち」という落語があるのですが、こちらは上方落語を知っている人には「あれ?」と思われるかもしれません。
語られるのは「宿屋に入った侍と、金沢八景の見物に赴くという三人の江戸っ子」の話。
しかし上方落語では、「宿仇(やどがたき)」という演目で内容はそのまま、けれど三人は「伊勢参りの帰り」という設定で登場します。
その他、元は上方で生まれた落語が江戸で発展するうえで誤差が生じているのか、いろいろな変化が目に留まるようです。

テレビアニメ化も予定

またこちらの作品はテレビアニメ化も予定されているとのことで、既に有名声優によるキャスティングも発表されています。
それだけでなく現在発売されている最新刊「昭和元禄落語心中」7巻の特装版ではオリジナルアニメを収録したDVDもつき、主人公の「与太郎」が惚れ込んだという落語「死神」が人気声優、石田彰さんの声で収録されています。
主人公の与太郎に関智一さんを迎え、すでに動き出している「昭和」の時代に演じられる「元禄」の空気。
テレビアニメ化すれば話題になること必至なので、是非一度先取りしてお楽しみください。

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