美しい世界で繰り広げられる悲しさと恐怖。「モノノ怪」

前回の記事に引き続き、このじっとりとした梅雨の暑さを緩めてくれるようなホラー作品をご紹介。
とは言っても、前回のようなスプラッタホラーとはまた違います。
映像美で見せてくれながらも、怪異の恐ろしさをカメラワークでもじっくりと視聴者に刻みつけ、登場人物の内面に潜む邪悪さ、そして最期にスッキリと落としてくれるシンプルな展開によって爽快なホラーを感じさせてくれる作品、「モノノ怪」です。

和の空気と極彩色。美術面でも見惚れるホラー

この作品、もちろん今ご紹介するからには背後を思わず確認したくなるようなホラー作品です。
しかし魅力は、決してホラー作品にはとどまりません。サムネイルに表示されているカットでもご理解いただけると思うのですが、色遣いがあまりにも美しいのです。
大正モダンを思わせる大胆なカットでありながら、浮世絵、または屏風絵などの要素も取り込まれているこちらのイラスト。
このカットの雰囲気が、アニメ本編にも適用されているのです。
全5つのエピソードに分かれているこちらの作品にはそれぞれの回に美術テーマがあります。
「座敷童子」では浮世絵、「海坊主」ではクリムト、「のっぺらぼう」では屏風絵、「鵺」では水墨画、「化猫」ではピカソのゲルニカと大正モダン。
各エピソードの時代背景をも映し出すようなその美術設定に、視聴者は恐怖を感じながらも確実に魅入られてしまいます。

しっとりとした語り口が視聴者を混乱させない

最近の作品だと、やはりわいわいと騒がしいギャグ物やそれにふさわしい演技が人気を呼んでいます。
しかしこちらは一転し、周囲の数キャラはともかく主人公が終始ローテンション。
人が死んでも動揺することなく、責め立てられようと激昂せず、しっとりと穏やかな所作で物語の主軸部分をまっすぐに見据えています。
そのため、視聴者としては情報の混乱を起こすことなく作品の世界を見定めることができるのが特徴です。
また、主人公の名前が公表されておらず「薬売り」で通されているところもなんとも粋(いき)。
明らかに普通の人間ではない風情であるにもかかわらず、その正体についてなんら情報が出されることもなく淡々と怪異を解き明かしていくところにも痺れます。

気に入った人は「海坊主」を見る前に是非こちらもチェックを

この作品を気に入った方には是非見てもらいたいのが、「怪 〜ayakashi〜」という作品の「化猫」。
実はこの「モノノ怪」は上記作品の続編として制作された作品なのです。
スタッフはもちろん、主人公が薬売りであることも同じ。そしてなにより「モノノ怪」の第二エピソードである「海坊主」には、「怪 〜ayakashi〜」の「化猫」にも登場したキャラクターが共通して登場します。
双方を視聴したほうがより楽しめる内容と思いますので、是非こちらもチェックしてみてください。

決して恐ろしいだけの物語でないのがこの作品の大きな魅力。
ホラーは苦手だけど……という人も、だれか大事な人とともに試聴してみてください。

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