花柳界の花は美しいだけの存在ではない。祇園芸姑の物語「玄椿」

昨今、日本の伝統文化を題材にしたコミック作品やアニメ作品が多く人気を得ています。
例に挙げるなら競技カルタに青春をかける少女たちの「ちはやふる」、よさこいに燃える女子中学生たちの「ハナヤマタ」、落語を中心に複雑な人間関係を描く「昭和元禄落語心中」などが最近の人気作でしょうか。
そんな中、ほとんどの人が覗き見ることのない世界、「花柳界」。
いわゆる芸姑、遊女、遊里などを指す言葉ではあるのですが、今からご紹介するこの作品の中心に据えられているのは「京都の祇園」。
そこで生まれ育った芸姑の物語です。

秘密の場所を覗き見ている感覚 

京都祇園。一般的にとっつきづらい印象があると言われている京都の、その中でも一番「一般人が踏み入ってはいけない高級で高尚な遊び方がたくさんある感じのする場所」でもあると思います。
実際に京都の洛中(上京区、中京区、下京区の三区。「碁盤の目」上に道が整備されている区域)で育った人でも、「一見さんお断り(既存のお客さんの紹介で同席したことのあるお客以外は入店をお断りするしきたり)」などの伝聞が手伝って「祇園はなんとなく近寄ってはいけない雰囲気」や「お金持ちしか行けないイメージ」を持っています。
しかしこの作品ではそういったしきたりや文化に丁寧な説明を加えて、馴染みのない人にも分かりやすいように魅せてくれます。
その感覚は勉強しているときのような、けれど閉ざされた秘密の園を覗き見しているときのようなドキドキとワクワクを持ち寄ってくれます。

芸姑と舞妓の違い、祇園の文化

皆さんは芸姑、そして舞妓をどうやって見分けていますか?
多くの人、特に若い人はその差を説明できないか、同じものだけど地域の差で別の言い方をしているんじゃないの?と思ったりもしているかもしれません。
しかし二つの存在は明確に違いがあるのです。
それはまず、舞妓は芸姑になるための「修行の身としての存在」であること。
そして見た目としては「髪の結い方の違い」、「花簪の有無」、さらに「着物の肩上げの有無」が挙げられます。
けれど慣れない人にはそんな見分けさえもつかないもの。
そんな違いや、「八朔」や「師走(12月)の挨拶」など祇園特有の文化などもこの作品を読むうちにごく自然と覚えられていきます。

芸や花街に縁(ゆかり)の神様についてもガッツリ知れる

京都には様々な寺社が点在しているだけあって、芸や花街に縁のある神様や仏様にもたくさんおいでになります。
祇園で芸事の神様というとやはり辰巳大明神さんが挙げられると思いますが、そのほか八坂神社、北野天満宮、伏見稲荷、鞍馬神社などなど、多くの寺社に祭祀されていらっしゃる神様や仏様についてもしっかりと作中で解説されています。
その他島原や「梨園(歌舞伎俳優など、一般社会と隔絶した特殊な世界)」のことも読みながら理解出来ていくので、この作品を読むだけで、ちょっとした「京都通」になれること間違いなし!

ただしこちらの作品、たびたび濃厚な愛の表現が入っていたり、一般社会では理解することができない人間関係が展開されていたりと、影響を受けやすい年頃の子どもが目にするとちょっと困ってしまうような描写も多くあります。
なので子どもさんがいらっしゃるご家庭ではその辺りに充分注意しつつ、ただの娯楽としてだけでなく、知識欲を満たす作品としても楽しんでみてください!

関連記事

お気に入りの漫画のイッキ読み

不要な漫画の高額買取

2015新作アニメ

Twitter

Facebook

リンク集

最近の投稿