話題沸騰、人外と少女の絆を描く「魔法使いの嫁」

最近はインターネット上での評判が高く、SNSに投稿されていた漫画が単行本化したり、目を惹く宣伝がされていた単行本が大ヒットする事が多くなっています。
その一つがこのヤマザキコレさんの「魔法使いの嫁」です。
人ならざる頭部を持つ魔法使いと少女の、恋愛的思慕を孕んだ絆を描くこの物語。その魅力をご紹介します!

幻想的な世界観と細部まで美しい背景

カラーページこそビビッドな色遣いとはっきりとした陰影で描かれていますが、単行本をめくって5ページ目から分かる通り、この作者の持ち味は非常に細やかなペンタッチです。
木の葉一枚、花弁ひとひらに至るまで息吹を感じられるほど美しく動植物を描写しています。
コミック用のソフトが大量に流通するようになってからスクリーントーンに頼った画面構成をする漫画は多いのですが、こちらは一切妥協なく、自身の脳内に広がる繊細な世界観をできる限りペンで描き綴ってあるのです。
タイトルにもある「魔法使い」という単語が示す通り、この作品を包んでいるのは幻想的でありながらどこかのどかな、自然あふれる風景です。
舞台が現代イングランドということもありますが、そうと知らされずとも西洋の片田舎を彷彿とさせる空気が読者を引き込んでいきます。
作者の中にある確固たるイメージが、私達には見えないけれども存在しているかもしれない妖精やドラゴンなどの未知の生き物たちをより鮮明に目の前に魅せてくれるのです。

現実離れしているからこそ感じられる人間性

主人公の一人である魔法使い、「エインズワース」は前述のとおり人ならざる頭部を持っている「人外」です。ヤギの骨に似た頭ですが、虚ろなはずのその眼孔の奥には表情を窺わせる光が灯っています。
ヤギの頭部を持つ半人と言えばキリスト教の悪魔「バフォメット」を彷彿とさせますが、エインズワースには現在のところ邪悪さを感じさせる描写は皆無です。
むしろもう一人の主人公、人間の少女「チセ」を慈しみ、大切にし、真綿で包むように愛しているのが感じ取れます。
そのチセはといえば、「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」と呼ばれ、自覚なしに魔力を吸収し、周囲の魔物に愛されるという特殊な体質を持っています。
近親が亡くなり、親類の家をたらい回しにされて邪魔者扱いされたチセは、自身の生きる意味を知るために闇オークションに出されてエインズワースに落札されました。
魔法使いの弟子、そして将来の花嫁として。
自分の体質やエインズワースに選ばれた意味すら知らないチセと、チセを慈しみながら未だすべてを明かさないエインズワース。この二人の柔らかでありながらしっかりと結ばれていく絆は、恋愛主軸の少女漫画とはまた違う感慨を与えてくれます。
人同士では陳腐になってしまう歩み寄りも、人外と少女であるからこそ美しく、魅力的に、そして新鮮に映ってくれるのです。
さて、この美しくも幻想的な世界をあなたはどう感じ、二人の今後をどう読み取っていくのでしょうか。
二巻からは登場人物も増え、さらに深みを増している「まほよめ」世界。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょう。

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