趣味人の心を抉る話題作「コンプレックス・エイジ」

コミケや同人誌、コスプレという単語を、聞いたことはあるでしょうか。
昨今そういった趣味を持っていない人でも、テレビや雑誌などでよく耳にしたり目にするようになってきました。
その多くはアニメや漫画、ゲームに傾倒した人々が自費で行う趣味の一つ。自分でマンガを描いたり小説を書いて本を製作し、キャラクターの服を型紙から起こして自ら纏う、一般の目からは少し変わった趣味です。
その趣味に生きる人の心を抉り、ネット上で話題になっている作品、「コンプレックス・エイジ」のご紹介です。

あなたの「趣味」は大切なものですか?

この作品の単行本で、まず目に付くのは帯に書かれた衝撃的な煽り文句です。
「楽しめ。血を流しながら。」
趣味で血を流す。もちろんこの「血」とは比喩ですが、通常の感覚で言えば考えられないことかもしれません。しかしアニメや漫画、ゲームを趣味にし、且つ創作活動やコスプレ活動をする者にとって、この言葉ほど痛感するものはありません。
まず20歳を超えてそういった趣味を持っていると、多くは白い目で見られるものです。親からは「いい加減に卒業しなさい」と言われることも多く、過去に同じ趣味を持っていた友だちも自分が離れてしまえば「まだやってるんだ」と嘲笑交じりに言われることすらあります。
しかしこの趣味に時間を費やしている人達は、それを甘んじて受け入れながらも楽しんでいるのです。
趣味ではありますが、個人によってその本気度はさまざま。情熱の温度差によって軋轢が生じ、苦しい思いをすることもあります。

一般の理解と、情熱の行き違い

この作品の主人公、片浦渚は26歳。世間では若者に属しますがコスプレイヤー業界では「古参」扱いされる年齢、そして結婚などの人生の転機を迎えがちな年齢です。
彼女はコスプレに完璧さを求める女性で、衣装のクオリティも高く、キャラクターのこともよく観察して仕草や表情までも「それらしく」表現することこそ必要と考えている「本気」の趣味人です。
そのクオリティの高さはコスプレイヤー業界でも人気で、彼女がいると会場で人だかりができるほどです。ですが自分以外にも「完璧」を求めてしまう彼女は、コスプレ初体験の参加者に心無い言葉をかけてしまいます。
そこで彼女に向かって投げられた年齢を再認識させるたった一つの暴言が、彼女の心に傷を作ります。
そこを起点として彼女に降りかかる数々の小さな事件と言葉の数々は、同人誌やコスプレを趣味としている人間にとって非常に胸に刺さるものばかりです。
いつ自分に降りかかってもおかしくない言葉や事件なだけに、我が身のように胸が痛むこともあります。
人に胸を張って誇れる趣味ではないと自負し、そして一般の目から見た自分という客観的な視点から目を逸らしがちなこの世界の趣味人を、一気に現実へ引き戻す問題作だと思います。
普段こういう世界へ足を踏み入れたこともなく、また、周囲にもこういう趣味を持っている人のいない人も、是非一度読んでみていただきたい作品です。
もしあなたの傍にそういう人がいた時、どんな言葉で傷つき、どんな言葉をかければいいのか。そう考えることも、そしてただ読み物として楽しむこともできるはずです。

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